【パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(7532)】2025年6月期 第2四半期決算分析レポート
1. 会社概要
パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH、コード:7532) は、日本国内外でディスカウントストア「ドン・キホーテ」などを展開する小売企業です。多様な商品ラインナップと独自の価格戦略を強みに、国内外で成長を続けています。近年は、北米・アジア市場での出店を加速させ、グローバル展開を進めています。
2. 決算概要(2025年6月期 第2四半期)
(1) 経営成績(単位:百万円)
項目 2025年6月期 第2四半期 2024年6月期 第2四半期 前年比 売上高 1,128,614 1,047,594 +7.7% 営業利益 89,749 75,501 +18.9% 経常利益 86,914 73,607 +18.1% 親会社株主に帰属する中間純利益 53,977 48,214 +12.0% 営業利益率 7.95% 7.21% +0.74pt
✅ 良い点
- 売上高が前年同期比+7.7%増加し、安定した成長を維持。
- 営業利益+18.9%、経常利益+18.1%と利益率の改善が続く。
- 国内既存店の売上成長に加え、免税売上の回復が寄与。
- 北米・アジア市場での店舗拡大が継続し、海外売上比率が上昇。
⚠️ 課題
- 国内小売業界の価格競争が激化しており、利益率の維持が課題。
- 海外事業の店舗運営コストが上昇しており、収益性確保が求められる。
(2) 財務状況(単位:百万円)
項目 2025年6月期 第2四半期 2024年6月期 前年比 総資産 1,564,179 1,498,410 +4.4% 純資産 584,175 547,003 +6.8% 自己資本比率 36.6% 35.8% +0.8pt
✅ 良い点
- 総資産・純資産ともに増加し、財務基盤が安定。
- 自己資本比率が36.6%に向上し、財務の安定性が増した。
⚠️ 課題
- 海外市場での設備投資が増加しており、資金調達の効率化が必要。
(3) 配当情報(単位:円)
項目 2024年6月期 2025年6月期(予想) 増減 年間配当金 30.00 34.00 +4.00 配当利回り 1.9% 2.2% +0.3pt
✅ ポイント
- 年間配当金は34円に増配予定(+13.3%)。
- 安定した株主還元策を継続。
(4) 業績予想(2025年6月期 通期)
項目 2025年6月期(予想) 2024年6月期(実績) 前年比 売上高 2,220,000 2,094,002 +6.0% 営業利益 155,000 140,103 +10.6% 経常利益 150,800 148,652 +1.4% 親会社株主に帰属する当期純利益 90,000 88,657 +1.5% 1株当たり利益(EPS) 150.74円 148.32円 +1.6%
✅ ポイント
- 売上・利益ともに増加見込みで、安定した成長を維持。
- 海外市場の成長が業績を牽引。
- 円安による影響とコスト増加への対応が求められる。
3. 業界動向と競合比較
- 国内小売業界では価格競争が激化し、利益率の確保が重要。
- 海外市場(特に北米・アジア)での成長が続く。
- 競合企業(イオン・セブン&アイ)と比較して、独自の価格戦略が強み。
4. 総評(100点満点評価)
項目 点数(25点満点) コメント 財務健全性 22 自己資本比率が向上し、安定性がある。 成長性 23 海外市場の成長と国内市場の安定が好材料。 市場ポジション 21 独自の価格戦略と業態展開で競争力を維持。 将来性 22 海外事業の成長が続けば、さらなる発展が期待。 総合評価88点安定した成長と株主還元を維持する優良企業。
📌 注意事項
本記事は公開情報に基づき作成されたものであり、特定の投資判断を推奨するものではありません。投資にはリスクが伴いますので、ご自身の判断で慎重に検討してください。
出典: パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス 2025年6月期 第2四半期決算短信(公式IRページ)
今後の焦点は、海外市場のさらなる拡大と利益率の維持。持続的な成長のために、コスト管理と市場戦略の最適化が鍵となります。