【ピープル株式会社(7865)】2025年1月期 決算分析レポート
1. 会社概要
ピープル株式会社(コード:7865) は、玩具および知育玩具の企画・開発・販売を行う企業です。特に、知育玩具「ピタゴラスシリーズ」や幼児向けおもちゃを中心とした商品展開を行い、国内外市場で事業を展開しています。2025年1月期は、既存事業の整理と新規事業「好奇心事業」の立ち上げに注力しています。
2. 決算概要(2025年1月期)
(1) 経営成績(単位:百万円)
項目 2025年1月期 2024年1月期 前年比 売上高 1,916 5,353 △64.2% 営業利益 △50 431 ― 経常利益 △45 449 ― 当期純利益 △72 313 ― 営業利益率 △2.6% 8.0% ―
✅ 良い点
- 「ピタゴラスシリーズ」などの知育玩具カテゴリーは堅調に推移。
- 新規事業「好奇心事業」の研究開発が進行中。
- 売上総利益率が改善し、利益構造改革が進行中。
⚠️ 課題
- 売上高が64.2%減少し、事業規模が大幅縮小。
- 営業損失50百万円、純損失72百万円を計上。
- 米国市場での代理店契約変更に伴う海外売上の急減(9割減)。
(2) 財務状況(単位:百万円)
項目 2025年1月期 2024年1月期 前年比 総資産 2,300 2,768 △16.9% 純資産 2,128 2,395 △11.1% 自己資本比率 92.5% 86.5% +6.0pt
✅ 良い点
- 自己資本比率92.5%と財務安定性が高い。
- 既存事業の整理により、資産効率が向上。
⚠️ 課題
- 総資産の縮小が続いており、成長投資のための資金確保が必要。
(3) キャッシュフロー(単位:百万円)
項目 2025年1月期 2024年1月期 前年比 営業活動CF △93 774 ― 投資活動CF △81 △8 ― 財務活動CF △209 △255 ― 現金及び現金同等物 1,441 1,823 △20.9%
✅ 良い点
- 財務活動によるキャッシュ流出が減少。
⚠️ 課題
- 営業キャッシュフローが赤字転落(△93百万円)。
- 新規事業開発への投資負担が増加。
(4) 配当情報(単位:円)
項目 2024年1月期 2025年1月期 増減 年間配当金 48.00 0.00 △48.00 配当利回り 8.9% 0.0% ―
✅ ポイント
- 2025年1月期は無配となり、株主還元策が停止。
- 業績回復後の復配が課題。
(5) 業績予想(2026年1月期 第1四半期)
項目 2026年1月期Q1(予想) 2025年1月期Q1 前年比 売上高 286 381 △24.9% 営業利益 △97 △50 ― 経常利益 △97 △45 ― 当期純利益 △97 △72 ―
✅ ポイント
- 売上は前年同期比△24.9%減少見込み。
- 新事業のローンチに向けた投資が継続。
3. 業界動向と競合比較
- 玩具市場は縮小傾向が続く。
- 競合(バンダイ、タカラトミー)と比較して事業規模が小さい。
- 知育玩具市場での競争力強化が課題。
4. 総評(100点満点評価)
項目 点数(25点満点) コメント 財務健全性 22 自己資本比率は高いが、収益性の回復が課題。 成長性 18 既存事業縮小が進み、新規事業の成長が不可欠。 市場ポジション 16 国内外市場での競争力向上が必要。 将来性 20 「好奇心事業」の成功が鍵となる。 総合評価76点業績回復と新事業の成否が鍵。
📌 注意事項
本記事は公開情報に基づき作成されたものであり、特定の投資判断を推奨するものではありません。投資にはリスクが伴いますので、ご自身の判断で慎重に検討してください。
出典: ピープル株式会社 2025年1月期 決算短信(公式IRページ)
今後の焦点は、「好奇心事業」の成長戦略と海外市場での事業拡大。持続的な成長のために、コスト管理と市場戦略の最適化が必要です。