【株式会社きもと(7908)】2025年3月期 第3四半期決算分析レポート
1. 会社概要
株式会社きもと(コード:7908)は、フィルム関連製品およびデジタルツイン技術を活用したソリューションを提供する企業です。主力事業は、電子機器や自動車向けの特殊フィルム製造であり、近年はデジタルツイン分野への進出も進めています。特に、IoT関連部材の需要増加が業績を支えています。
2. 決算概要(2025年3月期 第3四半期)
(1) 経営成績(単位:百万円)
項目 | 2025年3月期 第3四半期 | 2024年3月期 第3四半期 | 前年比 |
---|---|---|---|
売上高 | 8,650 | 7,165 | +20.7% |
営業利益 | 1,182 | 65 | 黒字転換 |
経常利益 | 1,254 | 168 | +645.9% |
親会社株主に帰属する四半期純利益 | 991 | 103 | +856.3% |
✅ 良い点
- 売上高が前年同期比+20.7%増加し、安定成長を維持。
- 営業利益・経常利益が大幅改善し、収益性向上が顕著。
- IoT関連製品の販売が堅調に推移。
⚠️ 課題
- デジタルツイン分野の売上が前年比-18.9%と伸び悩み。
- 海外市場(欧州・中国)での成長が限定的。
(2) 財務状況(単位:百万円)
項目 | 2025年3月期 第3四半期 | 2024年3月期 | 前年比 |
総資産 | 23,606 | 22,599 | +4.5% |
純資産 | 19,026 | 18,156 | +4.8% |
自己資本比率 | 80.6% | 80.3% | +0.3pt |
✅ 良い点
- 自己資本比率が80%超えを維持し、財務の安定性が高い。
- 利益剰余金が増加し、株主価値が向上。
⚠️ 課題
- 欧州市場の成長鈍化により、収益基盤の拡充が必要。
(3) 配当情報
項目 | 2024年3月期 | 2025年3月期(予想) |
1株当たり配当(年間) | 6.00円 | 6.00円(据え置き) |
✅ 良い点
- 安定的な配当を維持し、株主還元姿勢を継続。
3. 業界動向と競合比較
- IoT市場の拡大により、電子部品・半導体関連フィルムの需要増加。
- 欧米・アジア市場での競争が激化。
- デジタルツイン分野の成長性は引き続き注視が必要。
4. 総評(100点満点評価)
項目 | 点数(25点満点) | コメント |
財務健全性 | 24 | 自己資本比率が高く、財務の安定性は良好。 |
成長性 | 22 | 売上・利益は堅調に推移しているが、デジタルツイン分野が課題。 |
市場ポジション | 21 | IoT関連市場での優位性は維持。 |
将来性 | 20 | 海外市場の成長鈍化に対応する戦略が必要。 |
総合評価 | 87点 | 安定成長を維持しつつ、新規事業の成長戦略が鍵。 |
注意事項
本記事は公開情報に基づき作成されたものであり、特定の投資判断を推奨するものではありません。 投資にはリスクが伴いますので、ご自身の判断で慎重に検討してください。
出典: 株式会社きもと 2025年3月期 第3四半期決算短信(公式IRページ)
今後の焦点は、IoT関連製品の売上拡大とデジタルツイン事業の成長加速。競争環境を注視しながら、持続的な成長戦略を構築する必要があります。
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