【株式会社アイル(3854)】2025年7月期 第2四半期決算分析レポート
1. 会社概要
株式会社アイル(コード:3854) は、中堅・中小企業向けの業務システム開発およびWebソリューションを提供するIT企業です。基幹業務パッケージ「アラジンオフィス」や、EC一元管理システム「CROSS MALL」など、DX支援を強化。製販一体の戦略で顧客の業務効率化を推進し、幅広い業種に対応したソリューションを提供しています。
2. 決算概要(2025年7月期 第2四半期)
(1) 経営成績(単位:百万円)
項目 2025年7月期 第2四半期 2024年7月期 第2四半期 前年比 売上高 9,242 8,571 +7.8% 営業利益 2,260 2,238 +1.0% 経常利益 2,235 2,249 △0.6% 親会社株主に帰属する四半期純利益 1,537 1,489 +3.2% 営業利益率 24.5% 26.1% △1.6pt
✅ 良い点
- 売上高は前年同期比+7.8%増加し、業績拡大を継続。
- パッケージソフトウェア「アラジンオフィス」の導入拡大が貢献。
- EC市場拡大に伴い、「CROSS MALL」の契約単価が上昇。
⚠️ 課題
- 営業利益率が若干低下し、利益率改善が課題。
- 開発人件費および仕入品価格の上昇が利益を圧迫。
(2) 財務状況(単位:百万円)
項目 2025年7月期 第2四半期 2024年7月期 前年比 総資産 13,818 14,153 △2.4% 純資産 7,354 9,680 △24.0% 自己資本比率 53.2% 68.4% △15.2pt
✅ 良い点
- 自己資本比率は依然50%以上と安定的な水準。
- 経営の安定性は確保されている。
⚠️ 課題
- 資産減少の影響で、財務の健全性を維持するための戦略が必要。
- 成長投資のための資金調達計画が今後のポイント。
(3) 配当情報(単位:円)
項目 2024年7月期 2025年7月期(予想) 増減 年間配当金 41.00 47.00 +6.00 配当利回り ー ー ー
✅ ポイント
- 前年より増配を予定し、47円の配当を発表。
- 安定した株主還元姿勢を維持。
(4) 業績予想(2025年7月期 通期)
項目 2025年7月期(予想) 2024年7月期(実績) 前年比 売上高 19,150 17,508 +9.4% 営業利益 4,800 4,263 +12.6% 経常利益 4,826 4,285 +12.6% 当期純利益 3,257 2,887 +12.8% 1株当たり純利益(EPS) 130.12円 118.45円 +9.9%
✅ ポイント
- 売上・利益ともに増収増益を継続見込み。
- DX化の進展と企業のIT投資拡大が追い風。
3. 業界動向と競合比較
- 国内のDX推進により、業務システム・クラウドソリューションの需要は堅調。
- 競合(オービック、弥生)と比較し、EC・流通業向けのソリューションに強み。
- 企業のIT投資が活発化しており、今後も受注拡大が期待される。
4. 総評(100点満点評価)
項目 点数(25点満点) コメント 財務健全性 21 自己資本比率は安定しているが、資産減少が課題。 成長性 22 DX需要を背景に、売上成長は続く見込み。 市場ポジション 23 中小企業向けソリューションで強みを発揮。 将来性 22 IT投資拡大とDX支援で成長継続の可能性大。 総合評価88点業績拡大を継続しつつ、利益率改善が鍵となる。
📌 注意事項
本記事は公開情報に基づき作成されたものであり、特定の投資判断を推奨するものではありません。投資にはリスクが伴いますので、ご自身の判断で慎重に検討してください。
出典: 株式会社アイル 2025年7月期 第2四半期決算短信(公式IRページ)
今後の焦点は、DX推進の需要を取り込みつつ、財務の健全性を維持しながら持続的な成長を確保すること。市場環境の変化に柔軟に対応し、競争力を高める戦略が重要となります。