【株式会社シンニッタン(6319)】2025年3月期 第3四半期決算分析レポート

企業分析

【株式会社シンニッタン(6319)】2025年3月期 第3四半期決算分析レポート

1. 会社概要

株式会社シンニッタン(コード:6319) は、主に鍛造技術を用いた自動車・建設機械部品を製造する企業です。国内外の自動車メーカーや建設機械メーカー向けに、精密かつ高耐久な部品を供給。近年では、製造プロセスの効率化や環境対応技術の開発にも注力しています。


2. 決算概要(2025年3月期 第3四半期)

(1) 経営成績(単位:百万円)

項目 2025年3月期 第3四半期 2024年3月期 第3四半期 前年比 売上高 13,852 16,746 △17.3% 営業利益 △113 654 ― 経常利益 273 907 △69.8% 親会社株主に帰属する四半期純利益 164 1,032 △84.0% 営業利益率 △0.8% 3.9% ―

✅ 良い点

  • 建設機械産業向けの需要は底堅く推移。
  • 自動車産業向けは徐々に回復傾向。
  • コスト削減施策の推進により、固定費圧縮が進行中。

⚠️ 課題

  • 売上高が前年同期比△17.3%減少。
  • 営業利益は赤字転落(△113百万円)。
  • 為替変動や資材価格上昇の影響を受け、利益率が低下。

(2) 財務状況(単位:百万円)

項目 2025年3月期 第3四半期 2024年3月期 前年比 総資産 38,334 38,971 △1.6% 純資産 27,049 26,996 +0.2% 自己資本比率 69.9% 68.7% +1.2pt

✅ 良い点

  • 自己資本比率が69.9%に向上し、財務の安定性を維持。
  • 負債の圧縮が進み、財務健全性が強化。

⚠️ 課題

  • 資産規模が縮小傾向にあり、成長投資の確保が必要。

(3) 配当情報(単位:円)

項目 2024年3月期 2025年3月期(予想) 増減 年間配当金 11.00 10.00 △1.00 配当利回り 3.2% 2.9% ―

✅ ポイント

  • 年間配当金は10円の予定(前年より△1円減配)。
  • 利益減少に伴う株主還元の調整が行われた。

(4) 業績予想(2025年3月期 通期)

項目 2025年3月期(予想) 2024年3月期(実績) 前年比 売上高 18,300 21,580 △15.2% 営業利益 △100 720 ― 経常利益 325 1,095 △70.3% 当期純利益 210 995 △78.9% 1株当たり当期純利益(EPS) 5.72円 28.15円 △79.7%

✅ ポイント

  • 売上高は前年同期比△15.2%の減少見込み。
  • 営業利益は通期で赤字転落の可能性。
  • コスト削減と生産効率向上が課題。

3. 業界動向と競合比較

  • 自動車市場は半導体不足の影響が緩和しつつあるが、需要回復は緩慢。
  • 建設機械向け市場は安定しているものの、新興国需要の伸びが鈍化。
  • 競合(住友重機械工業、日立金属)と比較し、海外市場への展開力が課題。

4. 総評(100点満点評価)

項目 点数(25点満点) コメント 財務健全性 22 自己資本比率は高いが、利益率の改善が課題。 成長性 18 事業規模縮小が続き、新規市場開拓が必要。 市場ポジション 20 国内市場では一定のシェアを維持するも、海外展開が遅れ気味。 将来性 19 収益構造の改革が必要で、コスト削減が鍵。 総合評価79点事業環境の厳しさが続く中、戦略転換が求められる。

📌 注意事項
本記事は公開情報に基づき作成されたものであり、特定の投資判断を推奨するものではありません。投資にはリスクが伴いますので、ご自身の判断で慎重に検討してください。

出典: 株式会社シンニッタン 2025年3月期 第3四半期決算短信(公式IRページ)


今後の焦点は、コスト削減の徹底と海外市場での競争力強化。持続的な成長を確保するために、新たな投資戦略の策定が求められます。

タイトルとURLをコピーしました