【株式会社ELEMENTS（5246）】2024年11月期 決算分析レポート
1. 会社概要
株式会社ELEMENTS（5246）は、AIを活用した個人認証および個人最適化ソリューションを提供する企業です。主力事業として、オンライン本人確認サービス「LIQUID eKYC」を展開し、金融機関や通信会社、マッチングサービスなどへ導入を進めています。特に、非対面取引の拡大や金融犯罪対策の強化を背景に、当社の認証技術の需要が増加しています。
2. 決算概要（2024年11月期）
(1) 経営成績（単位：百万円）
| 項目 | 2024年11月期 | 2023年11月期 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 2,545 | 1,940 | +31.2% |
| EBITDA | 343 | -125 | 黒字転換 |
| 営業利益 | 57 | -297 | 黒字転換 |
| 経常利益 | -27 | -355 | 赤字縮小 |
| 当期純利益 | -132 | -338 | 赤字縮小 |
✅ 良い点
- 売上高が31.2%増加し、事業規模拡大が継続。
- EBITDA・営業利益が黒字転換し、収益改善が顕著。
- 「LIQUID eKYC」の市場拡大に伴い、顧客基盤が拡大。
⚠️ 課題
- 当期純利益は依然として赤字（-132百万円）。
- 金融犯罪対策市場の競争激化により、シェア維持が課題。
(2) 財務状況（単位：百万円）
| 項目 | 2024年11月期 | 2023年11月期 | 前年比 |
| 総資産 | 4,916 | 3,629 | +35.4% |
| 純資産 | 2,609 | 1,018 | +156.3% |
| 自己資本比率 | 42.8% | 24.4% | +18.4pt |
✅ 良い点
- 自己資本比率が42.8%に向上し、財務安定性が強化。
- 総資産・純資産ともに大幅増加し、資本効率が向上。
⚠️ 課題
- 有形・無形資産の増加による投資回収リスクが存在。
(3) キャッシュフロー（単位：百万円）
| 項目 | 2024年11月期 | 2023年11月期 | 前年比 |
| 営業活動CF | 222 | -341 | 黒字転換 |
| 投資活動CF | -837 | -684 | 投資拡大 |
| 財務活動CF | 619 | 1,704 | -63.7% |
| 現金及び現金同等物 | 2,746 | 2,741 | +0.2% |
✅ 良い点
- 営業キャッシュフローが黒字転換し、資金創出力が向上。
- 資本増強により、現金保有額は堅調を維持。
⚠️ 課題
- 投資活動によるキャッシュアウトが増加。
- 財務活動CFが前年より縮小し、資金調達力の変化に注目。
3. 業界動向と競合比較
- オンライン本人確認（eKYC）市場は拡大傾向。
- 競合（ポラリファイ等）との統合によりシェア拡大を模索。
- 政府の金融犯罪対策強化により、規制順守の重要性が増大。
4. 総評（100点満点評価）
| 項目 | 点数（25点満点） | コメント |
| 財務健全性 | 23 | 自己資本比率が向上し、財務安定性が高まった。 |
| 成長性 | 24 | 売上・利益が回復傾向であり、事業拡大の余地あり。 |
| 市場ポジション | 22 | eKYC市場でのリーダーシップを確立。 |
| 将来性 | 21 | 競争環境の変化が影響し、戦略次第で成長が左右される。 |
| 総合評価 | 90点 | 高成長を維持しつつ、競争戦略が重要な局面。 |
注意事項
本記事は公開情報に基づき作成されたものであり、特定の投資判断を推奨するものではありません。 投資にはリスクが伴いますので、ご自身の判断で慎重に検討してください。
出典: 株式会社ELEMENTS 2024年11月期 決算短信（公式IRページ）
今後の焦点は、売上成長の維持と利益率向上。競争環境を注視しながら、継続的な決算分析が必要です。
コメント